第十九回 A列車で行こう −JAZZの旅

 

展示にあたって

  今回の展示は、付属図書館13号館分館に所蔵する音楽資料の中から、ジャズレコード78点を選んだ。
 これら展示資料は、ジャズの歴史の流れの中で主なジャンルを形成したミュージシャンの代表アルバムを年代を追って展示した。尚、レコードジャケットを展示したので、鑑賞希望の方は13号館分館視聴覚室で利用願いたい。

 

1.RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 全17巻

 

 歴史上最初にジャズをレコーディングしたグループ、オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・
バンド(ODJB)の1917年の吹き込みを始めとして、天才トランベッター、ルイ・アームストロ
ング、ジャズ史上最高の音楽家、デューク・エリントン、スウイング王、ベニー・グッドマンらの
名演を網羅したシリーズ盤。ジャズ初期の演奏からビ・バップ時代までのジャズの歴史が、シリー
ズを通して聴くことができる。(1917〜49年録音)

 

2.チャーリー・パ一カー(Charlie Parker)アルト・サックス ※ビ・パップ

 

チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ 7vols

 パーカーはジャズの革命といわれるビ・バップの基盤を確立したミュージシャンとして、その名
を不動のものとしている。このアルバムは、ビ・バップ進行過程における試行錯誤的演奏から始ま
り、絶頂期に至る数々の名演がすべて収録されている。パーカーの真髄を知るうえで重要なアルバ
ムである。(1944〜48年録音)

 

3.レスター・ヤング(Lester Young)テナー・サックス

 

ブルー・レスター

 ジャズ特有のホットで鋭く、力強く豪快な奏法に対し、ソフトで繊細、リリカルな美をジャズプ
レイの中に導入した、サックスの巨星レスターは、モダン・ジャズの源泉といわれる。このアルバ
ムには、彼が徴兵にとられる直前の録音11曲と除隊後に録音した4曲が収録されている。(1944,
1949年録音)

 

4.ウディ・ハーマン(Woody Herman)バント・リーダー

 

ウディ・ハーマン・アット・カーネギー・ホール 1966
 
 このアルバムがなければ、ハーマン楽団は語れないという必聴盤。この楽団の特色は、5人の若
いトランペッターを軸とした強力なブラスの合奏にある。カーネギー・ホールで演奏された22曲の
うち15曲が収録されており、バンドの真価を問うにふさわしいコンサートであったことが判る。
(1946年録音)

 

5.ファッツ・ナヴァロ(Fats Navarro)トランペット

 

ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ vol.1-2

 人間味のある、暖かい響きを持つトランペッター、ナヴァロは、ビ・バップからモダン・ジャズ
ヘの橋渡しをした。このアルバムは、彼の26年という短い生涯の一瞬一瞬に全てを賭けていたかの
ごとく、力強く、男性的な魅力を全面に押し出した感がある。(1947〜49年録音)

 

6. セロニアス・モンク(Theloniaus Monk)ピアノ ※ビ・バップ

 

セロニアス・モンク 第2集
  
 今や歴史的ともなった、モンクの初期を知る上で欠かせない貴重なアルバム。『ビ・バップの高
僧』と異名をとった彼自身の音楽は、当時のビ・バップの概念を遥かに越えるユニークで斬新な表
現力を打ち出している。(1947,51,52年録音)

 

7. リー・コニッツ(Lee Konitz)アルト・サックス ※クール・ジャズ

 

サブコンシャス・リー
    
クール・ジャズの真価を問うにふさわしい、コニッツの歴史的名演。彼が最も創造的に燃えてい
た時期で、その実験精神が凝縮されており、ビ・バップからの自然な発展の上に生み出されたアル
バムであることを教えてくれる。(1949〜50年録音)

 

8. マイルス・デイビス (Miles Davis)トランペット ※クール・ジャズ

 

クールの誕生

 『編曲とアンサンブルに重点を置きながらも、ソロ・インプロヴィゼーション(即興演奏)の場
も十分に与える』という合意のもとにメンバーが集められた。その知的なサウンドはジャズ・レコ
ード史上最重要アルバムの一つとされている。編曲重視の割に、誰がどの曲を編曲したか明らかに
されていない点も、興味深い。(1949〜50年録音)

 

9.スタン・ケントン(Stan Kenton)バント・リーダー

 

スタン・ケントン・プレゼンツ
   
 40人編成の大オーケストラを再編したケントンは、『モダン・ミュージックの変革』を旗印にし
て、活動こ乗り出した。このアルバムは、大編成ながらソリストの個性を最大限に引き出しており、
ケントン楽団の醍醐味が味わえる。(1950年録音)

 

10. スタン・ゲッツ(Stan Getz)テナー・サックス ※クール・ジャズ

 

ザ・コンプリート・ルースト・セッション
    
 クール・ジャズを代表するミュージシャンであるスタン・ゲッツのピーク時の演奏が完全収録さ
れている。ひたすらなめらかな、流れるようなサウンドの中に熱い語りを含んでいるのが魅力であ
る。長期に渡って録音されており、演奏の変化を知る上でも貴重である。(1950〜52年録音)

 

11.デイブ・ブルーベック(Dave Brubeck)ピアノ

 

ブルーべック〜デスモンド
   
 このアルバムは、ブルーベック・カルテット初期の演奏にもかかわらず、ブルーベックとポール
・デスモンド(アルト・サックス)の呼吸がぴったり合っており、グループとしてのまとまりが感
じられる。ポスト、ビ・バップの一員であるブルーベック・カルテットの特長は、しゃれた編曲の
重視であり、クール・サウンドであった。(1951〜52年録音)

 

12.バディ・デフランコ(Buddy De Franco)クラリネット

 

ミスター・クラリネット

 このアルバムは、モダン・クラリネットの第一人者デフランコの代表作。素直なテーマ提示とそ
れに続くアドリブの連続が全曲に渡って繰り広げられ、リズム・セクションの快演も聴かせてくれ
る。(1953年録音)

 

13.モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet)グループ

 

ジャンコ

 このアルバムはMJQの初期を代表する傑作。そのサウンドの特性は、ヨーロッパ古典音楽に傾
倒しながらも本来のジャズ・スピリットを失わないところにある。MJQ発足後の第2回目から第
4回目までの録音のうち、1曲を除くすべてを収録したもので、オリジナルMJQの演奏を聴くこ
とができる。4回目の録音後、メンバーが一人代わり、それ以後は不動のメンバーとなっている。
(1953〜54年録音)

 

14.マイルス・デイビス(Miles Davis)トランペット ※ハード・バップ

 

ウォーキン

 ハード・バップの先駆けともなった作品。タイトル曲の「ウォーキン」は、モダン・ブルースの
傑作演奏として、しばしば引用される名演奏であり、まさに50年代ジャズの代表的傑作に数えられ
ている名盤である。(1954年録音)

 

15.エロ−ル・ガーナー(Erroll Garner)ピアノ

 

コンサート・バイ・ザ・シー

 ジャズ・スタイルの流行にも流されず、自己のスタイルを貫き通すと同時に、広い支持を受けた
ピアニスト、ガーナーのライブ盤。彼の長所を余すことなく披露したアルバムであり、真の魅力が
発揮された1枚である。(1955年録音)

 

16. クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)トランペット

 

スタディ・イン・ブラウン

 ブラウンとマックス・ローチ(ドラムス)を中心とするクインテットはモダン・ジャズの黄金期
を代表する名グループとしてファンを魅了した。このアルバムは、ブラウンの真価を放ったもので
あり、なおかつローチ以下のメンバーも各自の持ち味を存分に発揮している点で彼らの最高作と言
える。(1955年録音)

 

17.ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes)ピアノ

 

ザ・トリオ

 このアルバムは、ホーズの最高作であるばかりでなく、ピアノ・トリオによる数あるモダン・ジ
ャズ・アルバムの中でも屈指の名盤と言える。ホーズ独特のリズム感、粘るようなタッチが伝わっ
てくる。(1955年録音)

 

18.カウント・べイシー(Count Basie)バンド・リーダー

 

エイプリル・イン・パリ

 タイトル曲の「エイプリル・イン・パリ」は流麗でダイナミックなべイシー楽団のアンサンブル
・ワークが最大限に発揮され、長いキャリアを誇るべイシー楽団の代表的な人気ナンバーとなった。
このアルバムは異例なほどの大ヒット作になった。(1955〜56年録音)

 

19. アート・ペッパー(Art Pepper)アルト・サックス ※ウエスト・コースト・ジャズ

 

リターン・オブ・アート・ペッパー

 このアルバムは、ペッパーが暗い過去から見事に第一線に復帰した記念碑的作品であり、50年代
を飾る名盤の一つに数えられる。このアルバム以前の演奏が、どこか透明でクール・ジャズの面影
をとどめていたのに対し、あらゆる点で奥行きの深さと説得力が加わった快演を吹き込んでいる。
(1956年録音)

 

20. ラス・フリーマン(Russ Freeman)ピアノ、チェット・べイカー(Chet Baker)トランペット

 

カルテット
 
 ウエスト・コースト・ジャズのスーパースター、べイカーがピアニストの秀才ラス・フリーマン
とコンビを組んだ作品。このアルバムの演奏は、ヴァイタリティと知的な音楽性が見事に調和した
オリジナリティのある屈指の名演といわれている。(1956年録音)

 

21.J.J.ジョンソン(J.J.Johnson)トロンボ一ン

 

ダイアルJ・J・5

 J.J.クインテットを代表する傑出したアルバム。ユニークな才能を持つ新人たちによるスリ
リングなリズム・セクションの演奏とJ.J.のアドリブ・プレイがマッチした豊かな内容となっ
ている。(1957年録音)

 

22.デイジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)トランペット

 

ガレスピー・アット・ニューポート '57
   
 1957年のニューポート・ジャズ祭に出演したガレスピーと彼の率いるビック・バンドのライブ盤。
編曲のクインシー・ジョーンズらが在籍したこのバンドは、ガレスピーの最強カラインナップであ
り、二度と聴けないエキサイティングな演奏を展開している。モダン・ビッグ・バンド・ジャズの
すべてを味わえるアルバムである。(1957年録音)

 

23.ポール・チェンパース (Paul Chambers)ベース ※ハード・バップ

 

ベース・オン・トップ

 ハード・バップを代表するベーシスト、チェンバースの名作。チェンバース得意のアルコ奏法(
弓弾き)がふんだんに聴ける。サイド・メンとしてつき合っている大物プレイヤー達が、素晴らし
いプレイを展開している点も見逃せない。(1957年録音)

 

24.レッド・ガーランド(Red Garland)ピアノ

 

グルービー
    
 マイルス・クインテットで名を挙げたガーランドによるピアノ・トリオ演奏が収録されている。
このアルバムは傑出したピアノ・トリオの佳品として、長く愛聴されている。特に冒頭の「C.ジ
ャム・ブルース」ではガーランドの代表的ピアノ・プレイを聴くことができる。(1957年録音)

 

25.アート・ブレイキ一(Art Blakey)ドラムス

 

アート・ブレイキー & ジャズ・メッセンジャーズ

 ファンキー・ブームの幕を切って落としたのがこのアルバム。別名「モーニン」として知られて
いる。ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズによる数多い作品の中でも群を抜いた人気を持つ。
内容的にもジャズ・メッセンジャーズの黄金時代、そしてファンキー・ジャズを代表する名演が収
録されている。(1958年録音)

 

26.キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)アルト・サックス

 

サムシン・エルス

 このアルバムは、マイルス・デイビスを初めとする豪華な顔合わせのセッションであり、見事な
協調、リラックスしたムードのなかでスリルにあふれるプレイが展開されている。そして、キャノ
ンポールらのソロも素晴らしく、彼らにとっての代表的な演奏として評価されている。(1958年録
音)

 

27.ジョン・コルトレーン(John Coltrane)テナー・サックス

 

ソウルトレーン

 数多くのコルトレーンのアルバムの中でもこのアルバムは最高の出来栄えである。1958年という
時点に於けるコルトレーンの音楽が、比類なき美しさをもってこのレコードの隅々にまで結実して
いる。レッド・ガーランド・トリオと共演しており、楽器編成も理想的で、非のうちどころがない。
(1958年録音)

 

28.ドナルド・バード(Donald Byrd)トランペット

 

フュエゴ
 
 バードがハード・バップ・シーンで大活躍していた時期を代表するアルバム。バードの曲はいず
れもスムースで美しいメロディ・ラインをもっており、難解なところがない。そのような親しみや
すさから、 ジャズ喫茶での大人気盤となった。(1959年録音)

 

29.マイルス・デイビス(Miles Davis)トランペット ※モード・ジャズ

 

カインド・オブ・ブルー

 マイルスが本格的にモード奏法に取り組み、成果を挙げた歴史的作品。ハード・パップ、ファン
キー・ジャズが行き詰まりを見せた50年代末に現れた、かつて聴いたことのない新しい音の配列は、
当時のジャズ・ファンを魅了した。マイルスのみならず、他のメンバーにとっても記憶されるべき
飛躍への第一歩となったアルバムである。(1959年録音)

 

30.マル・ウォルドロン(Mal Waldron)ピアノ

 

レフト・アローン

 マルは多作家でアルバムの数も多いが、いちばん強い衝撃を与えるのは、この「レフト・アロー
ン」であり、彼の決定的な名盤といえる。1957年からビリー・ホリディ(歌手)の伴奏を務めたが、
1959年に彼女が亡くなり、彼女への鎮魂の思いを込めて吹き込んだのがこのアルバムである。
(1960年録音)

 

31.オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)ピアノ

 

サムシング・ウォーム
   
 1960〜61年にかけてシカゴのナイトクラブ“ロンドン・ハウス”にオスカー・ピーターソン・ト
リオが出演した際、収録された多くの演奏曲目のうち、6曲がこのアルバムに収められている。ち
ょうどトリオのコンビネーションが絶頂の時期にレコーディングされ、しかもアット・ホームなナ
イトクラブでのレコーディングということで、乗りに乗ったプレイを展開している。(1960〜61年
録音)

 

32.ビル・エバンス(Bill Evans)ピアノ

 

サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード
 
 ビル.エバンスが50年代の末期以降、率いて来た数多くのピアノ・トリオのうち、最も優れたコ
ンビネーションであったエバンス、ラファロ(ベース)&モチアン(ドラムス)のトリオがニュー
ヨークのクラブ“ビレッジ・バンガード”に出演した際の演奏を収めたもの。このオリジナル・ト
リオの最後の姿を収めたアルバムとして知られている。(1961年録音)

 

33.ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)アルト・サックス

 

レット・フリータム・リング

 ハード・バップ派の気鋭マクリーンの60年代におけるひとつのステップを記録した、注目すべき
アルバム。モード奏法の導入などによって内的欲求の表現をより明確に打ちだそうと試みている。
60年代、新しいジャズの動きの中で、失墜していったハード・バッパーの多い中、彼は新しいジャ
ズの表現について真剣に考え、この一作によってファンをしっかりと取り戻したのである。(1962
年録音)

 

34.マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)ピアノ

 

リーチング・フォース
  
 60年代以降のジャズ・ピアノ・シーンの発展に決定的な役割を果たした、タイナーのピアノ・ト
リオ・アルバム。彼はジョン・コルトレーン・カルテットのレギュラーピアニストとして名を馳せ
た逸材であった。このアルバムは、ジャズの伝統である歌心とスイング・スピリットにのっとった
明快なプレイを十分に示した。(1962年録音)

 

35.ケニー・バレル(Kenny Burrell) ギター

 

ミッドナイト・ブルー

 ブルースを最も得意とするギタリスト、バレルの魅力がたっぷりと楽しめるアルバム。スタンリ
ー・タレンタインのテナー・サックスの他、ベース、ドラムス、コンガの編成でマイナー・ブルー
スを基調に歌心あふれる演奏が展開される。(1963年録音)

 

36.デクスター・ゴードン (Dexter Gordon)テナー・サックス

 

アワ・マン・イン・パリ
 
 ゴードンは、1962年渡欧し、ヨーロッパを本拠に活躍した。このアルバムは彼の最初のヨーロッ
パでのレコーディングということになる。ビ・バップ期に培われたブローイング・スタイルに新し
いハード・バップ的な豊かさをかね備えたゴードンの充実した演奏を聴くことができる。(1963年
録音)

 

37.リー・モーガン(Lee Morgan)トランペット

 

ザ・サイドワインダー

 ジャズ・メッセンジャーズを1961年退団し健康を害して活動を停止していた、モーガンの再起作。
タイトル曲の「ザ・サイドワインダー」はロック・ビートを巧みに使った新鮮な作品で、大ヒット
となった。このアルバムでモーガンは新たな人気を獲得した。(1963年録音)

 

38. エリック・ドルフィー(Eric Dol phy)アルト・サックス

 

アウト・トゥ・ランチ

 このアルバムにおけるドルフィーは、新主流派の気鋭と組んで、ハーモニー面はもとより、特に
リズム面できわめて前向きなチャレンジをおこなっている。この時期の他の演奏と比較してもフレ
ッシュな魅力を持っている。彼が思う存分、自己の音楽を展開し得た評価の高い作品。(1964年録
音)

 

39. ホレス・シルバー(Horace Silver)ピアノ

 

ソング・フォー・マイ・ファーザー

 シルバーは、ファンキー・ジャズを押し進めて来たピアニスト。この作品は彼が父に捧げたアル
バム。60年代に入り、ファンキー・ジャズが下火になりはじめ、モード・ジャズや新主流派へと、
時代が移っていくなか、彼が残した最後の傑作アルバム。(1964年録音)

 

40. ウェス・モンゴメリー (Wes Montgomery)ギター

 

ソリチュード〜ライブ・イン・パリ

 ジャズ・ギタリストの第一人者と言われたモンゴメリーのシャンゼリゼ劇場こおけるライブ盤。
イージー・リスニング・ジャズ路線へと進む直前の演奏で、アップ・テンポの曲が大半を占め、彼
のダイナミックで緻密なソロが聴ける。(1965年録音)

 

41. オーネット・コールマン(Ornette Coleman)アルト・サックス ※フリー・ジャズ

 

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン vol.1
   
 フリー・ジャズ時代のトップ・バッターとなった、コールマンのストックホルムにあるクラブ
“ゴールデン・サークル”におけるライブ盤。ベースとドラムスという変則的なリズムセッション
をバックに、情熱的で開放感に満ちたアルト演奏を行っている。(1965年録音)

 

42. ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)ピアノ ※新主流派ジャズ

 

処女航海
  
 マイルス・デイビス・グループに在籍中のハンコックが、仲間のロン・カーターらとともにレコ
ーディングした彼のリーダー・アルバムである。全5曲、ハンコックのオリジナルで固め、ピアニ
スト兼作・編曲家として実力を発揮している。新主流派ジャズを代表する作品。(1965年録音)

 

43.セシル・テイラー(Cecil Taylor)ピアノ

 

ユニット・ストラクチャーズ
   
 モダン・ジャズ界きっての性格派ミュージシャン、テイラーの中型コンボ(3ホーン、2ベース、
1ドラム)によるアルバム。大胆なテイラーの演奏には破壊的なパワーがあふれており、集団即興
演奏の混沌としたサウンドの中から、ある種の構成美を引き出している。(1966年録音)

 

44. ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)テナー・サックス

 

アルフィー
 
 このアルバムは、イギリス映画「アルフィー」(1965)のために、ロリンズが始めて書いた映画
音楽をモチーフにして、10人編成の大型コンボを組んで吹き込んだもの。オリバー・ネルソンの編
曲、ロリンズらしい楽しさに溢れている。(1966年録音)

 

45. デューク・エリントン(Duke Ellington)バンド・リーダー

 

ザ・ポピュラー

 エリントンによる代表作の再演盤。これ以前にも何度か再演を行っているが、ステレオ時代にな
ってからは初めてのことであり、基本的なエリントン・カラーの上に、新しい脚色が施されている
点でも、感動を誘う名盤となった。エリントン自身のピアノが、それまで聴かれなかったほど大き
くフィーチュアされている。名曲「A列車で行こう」が収録されている。(1966年録音)

 

46. ボビー・ハッチャーソン(Bobby Hutcherson)ヴァイブラフォン ※新主流派ジャズ

 

ハプニングス
 
 ハッチャーソンは、ジャズにおけるヴァイブラフォンの伝統的奏法を最もよく受け継いでいるミ
ュージシャンである。このアルバムは、彼の代表作であり独自の知的で抒情的な世界が極めて高い
凝縮度のもとに展開されている。(1968年録音)

 

47. ドン・チェリー(Don Cherry)トランペット ※フリー・ジャズ

 

ミュー 第1部

 ポケット・トランペットを駆使するチェリーは、ヨーロッパ音楽からジャズが受け継いできた、
枠にはめられたリズムの解放からジャズを再出発させて、自由でオリジナルなジャズ・サウンドを
創り出してきた。このアルバムは、ドラマー、エド・ブラックウェルとふたりだけの演奏で、おお
らかで、たのしく、人間的な温かさが感じられる作品である。(1969年録音)

 

48.マイルス・デイビス(Miles Davis)トランペット

 

ピッチェズ・ブリュー

 従来のソロに焦点をおいた演奏の概念を捨て、マイルス・グループとしての新たなサウンドの創
出を徹底化したアルバム。ロック・ビートやエレクトロニック・サウンドの積極的な吸収など、70
年代ジャズの方向を決定的にし、フュージョン時代の先躯をなした歴史的名盤。(1969年録音)

 

49.ウェイン・ショーター (Wayne Shorter)ソプラノ・サックス

 

スーパー・ノバ
 
 マイルス・デイビスのもとで「ビッチェス・ブリュー」の録音に参加したショーターが、マイル
ス・グループから離れて作り出したアルバムで、チック・コリアらが参加している。マイルス・グ
ループとウェザー・リポートをつなぐ作品として興味深い。(1969年録音)

 

50.ジョー・ザビヌル(Joe Zawinul) エレクトリック・ピアノ

 

ザビヌル

 抜群のキーボード手腕を買われて、マイルス・グループヘの録音参加などで活躍中だったザビヌ
ルが、ウェザー・リポート結成直前に吹き込んだアルバム。静的な美しいサウンドは、その後のウ
ェザー・リポートの方向を予感させる。(1970年録音)

 

51.ジム・ホール(Jim Hall)ギター

 

アローン・トゥゲザー

 ベースのロン・カーターとのデュオ。ニューヨーク“プレイボーイ・クラブ”でのライブ録音盤。
2人の緊密で温か味のあるプレイに、クラブ内の騒音もごく自然に入って、臨場感が十分。このデ
ュオによる第1作でもある。(1972年録音)

 

52.チック・コリア(Chick Corea)エレクトリック・ピアノ

 

リターン・トゥ・フォーエバー
 
 サークルというカルテットを解散したコリアは、1971年10月に新しいグループを結成し、この第
1回録音からリターン・トゥ・フォーエバーを名乗るようになった。新鮮な美しさで注目された、
ジャズ史上屈指のベストセラー。60年代末期のフリー・ジャズに身をさらした体験から生まれた秀
作である。(1972年録音)

 

53.ジョー・パス(Joe Pass)ギター

 

ヴァーチュオーゾ 2-4集
 
 4連作となったギター・ソロのシリーズ。全くの無伴奏ソロであり、わずか6本の弦によって無
限の音楽世界を創造していく様は雄弁かつ緻密であり、真にヴァーチュオーゾ(名人芸)と呼ぶに
ふさわしい。(1973年録音)

 

54.キ一ス・ジャレット(Keith Jarrett)ピアノ

 

生と死の幻想
     
 ジャレットのオリジナル・カルテットによる最高作。このアルバムは、生と死が隣り合わせであ
ることを聴く者に知らしめているかのような作品であり、多面、多才なミュージシャンである彼の
すべてが集約されているといえる。(1974年録音)

 

55.フィル・ウッズ(Phil Woods)アルト・サックス

 

ミュージック・デュ・ボア
 
 ヨーロピアン・リズム・マシーンを率いて活躍したウッズは、1972年に同グループを解散し、19
73年末から本拠をヨーロッパからアメリカに移した。このアルバムはその後間もなく録音され、本
国での評価を高めた会心作である。(1974年録音)

 

56.ウェザー・リポート(Weather Report)グループ

 

ヘビー・ウェザー
 
 ウェザー・リポート絶頂期の名演奏であり、彼らの代表アルバム。主力メンバーであるジョー・
ザビヌルの影響を受け、自然を愛する彼ららしいナチュラル・サウンドが根底に流れている。きっ
ちりと作・編曲された緻密な音作りが素晴らしい。(1976年録音)

 

57.ジョージ・ベンソン(George Benson)ギター ※フュージョン

 

ブリージン
 
 ボーカリストとしてのベンソンを有名にした「マスカレード」を含む大ヒットアルバム。全体に
ただよう心地よいサウンドは、ソフト・アンド・メロウ時代のさきがけとなった。もちろん、ギタ
ープレイも素晴らしい。(1976年録音)

 

58.ロン・カーター(Ron Carter)ベース

 

パステルズ
 
 カーターが、ベースという楽器の持つ音楽性を改めて認識させたアルバム。あるゆる技巧を駆使
した彼のベースが聴ける。全曲の作曲とプロデュースも担当し、作曲家としての才能もいかんなく
発揮されている。(1976年録音)

 

59.チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)ベース

 

クンビア & ジャズ・フュージョン

 60年代後半以降、やや低迷していたミンガスが、往年の輝きを見せてファンを喜ばせた名盤。タ
イトル曲は、南米コロンビアで発生したダンス音楽のクンビアと、現代的なジャズとのフュージョ
ン(融合)があざやかである。(1976〜77年録音)

 

60.グレイト・ジャズ・トリオ(Great Jazz Trio)グループ

 

グレイト・ジャズ・トリオ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード
      
 ジャズ界の巨人、ハンク・ジョーンズ(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリ
アムズ(ドラムス)の3人が、ニューヨーク最古のジャズ・クラブで行なったジャム・セッション
の録音盤。変化に富んだレパートリーと三者が一体となったかのような即興演奏が聴ける。(1977
年録音)

 

61.渡辺貞夫(ワタナベ サダオ)アルト・サックス

 

カリフォルニア・シャワー
  
 彼のフュージョン路線第3弾で、空前の大ヒットとなったアルバム。ロサンゼルスで、デイブ・
グルーシンをはじめ多くの協力を得て作られた。こうした日米合同制作は、日本経済の進出と共に
数年前から目立つようになっていたが、「カリフォルニア・シャワー」はその成功の頂点を築いた
ものである。(1978年録音)

 

62.ジャック・デジョネット(Jack DeJohnette)ドラムス

 

スペシャル・エディション
 
 デジョネットが、優れたドラマーとしての存在にとどまらず、個性的なメンバーを従え、強力な
リーダーシップを発揮したアルバム。これ以後、彼はスペシャル・エディションを結成し、多彩な
メンバーたちを出入りさせながら、活動を続けた。(1979年録音)

 

63.デイブ・グルーシン(Dave Grusin)ピアノ

 

マウンテン・ダンス

 ベテランのグルーシンも、フュージョン熱の高まりの中で一層その重みを増した。日本ビクター
(JVC)の要請に応じて制作したこのアルバムは、後にロバート・デニーロ、メリル・ストリープ主
演の映画「恋におちて」の中にも使われた。(1979年録音)

 

64.クルセイダーズ(Crusaders)グループ

 

ストリート・ライフ

 1971年にジャズ・クルセイダーズからクルセイダーズに改名して以来、ファンキー色とポップ色
を強めていった彼らの、初のボーカル入りアルバム。数多くのゲスト・プレイヤーが加わって、厚
みのあるサウンドが生み出されている。(1979年製作)

 

65.アーサー・ブライス(Arthur Blythe)アルトサックス ※新伝承派ジャズ

 

イリュージョンズ

 ブライスは、80年代をリードし注目を集めた気鋭のサックス奏者の一人。彼は常に黒人の伝統を
消化し、生かしながら、さらにリフレッシュしたプレイをしてきたジャズマンであり、パワーのあ
る破天荒さが特色。このアルバムはブライスのオリジナルが中心である。(1980年録音)

 

66. アートアンサンブル・オブ・シカゴ (Art Ensemble of Chicago)グループ

 

アーバン・ブッシュマン
   
 1980年におこなった、ヨーロッパ長斯ツアーのうちミュンヘンでのコンサートのプログラムを再
構成して2枚に収めたもので、ライブの様子がリアルに伝わる。アコースティックに徹し熟成した
絶頂期にある彼らが、何故、当代ジャズ・グループの最高峰とされるか明らかになるアルバムであ
る。(1980年録音)

 

67.ギル・エバンス(Gil Evans)指揮

 

ギル・エバンス・ライブ・アット・ザ・パブリック・シアター

 ギル・エバンスは伝統的なジャズ以外の要素を、最も自然な形で自己の音の世界に吸収してきた
唯一の作・編曲家である。菊地雅章(ピアノ)のプロデュースによるこのアルバムでは、自らキー
ボード奏者としても参加しており、自然なサウンドを聴かせてくれる。(1980年録音)

 

68. スーパー・ジャズ・トリオ(Super Jazz Trio)グループ

 

ザ・スタンタード

 このアルバムはタイトルからもわかるように、誰にも親しまれている有名なスタンダード・ナン
バー7曲からなっている。メンバーの中心、トミー・フラナガン(ピアノ)の繊細でデリケートな
フィーリングに加え、ダイナミックな力強さがこのトリオの成功に導いている。実力あるベテラン
プレイヤーばかりなので、内容的にも十分聴き応えがある。(1980年録音)

 

69.パット・メセニー(Pat Metheny)ギター

 

80/81

 メセニーの『アコースティック・ベースと一緒にジャズのレコードを作りたい』という計画の下
に、チャーリー・ヘイデン(ベース)らの優れたミュージシャンが集められた。各自の傑出した音
楽性と技量をぶつけ合いながら、妥協することなく自らをも燃焼させたアルバムである。(1980年
録音)

 

70. ケニー・ドリュー(Kenny Drew)ピアノ

 

ファンタジア

 現代ピアノ・トリオの最高峰にある、ケニー・ドリュー・トリオが創り出したジャズ・ファンタ
ジアの世界。ディズニー映画の主題歌集で、近年のドリューの温かみが直に伝わってくるアルバム
である。クラシック・ピアノを基礎としたタッチの美しさはとりわけ日本人に愛されている。(19
83年録音)

 

71. テレンス・ブランチャード(Terence Blanchard)トランペット、

 

ドナルド・ハリソン(Donard Harrison)アルト・サックス
ニューヨーク・セカンド・ライン
 
 80年代半ば以降のジャズ・シーンを担う存在として注目を集めた彼らのデビュー・アルバム。ニ
ューオーリンズ出身の若手ミュージシャンに共通する、ジャズがいかに重要であるかを身をもって
学び、その伝統を生かした上でのプレイは十分聴き応えがある。(1983年録音)

 

72. ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)テナーサックス ※新伝承派ジャズ

 

シーンズ・イン・ザ・シティ
 
 ブランフォードは弟ウイントン(トランペット)とともに次代のジャズ界を担う新鋭である。美
しい旋律と斬新なメロディー、トーンには暖かさと華やかさが感じられる。このアルバムは繊細か
つシリアスで、しかも肩肘張ることなくスイングしている非常に内容の濃い作品である。(1983年
録音)

 

73. スタンリー・ジョーダン(Stanley Jordan)ギター

 

マジック・タッチ
  
 『Two−Handed Tapping』という特殊なギター奏法で一大センセーショナルを巻き起こしたジョー
ダンのデビュー作。サウンド的にはフュージョン・タッチであるが、そうした表面的な現象だけで
なく、60〜70年代の音楽の流れを基盤に、80年代だからこそ出現しえたミュージシャンである。そ
の音ひとつひとつに現代的な息吹を感じとることができる。(1984年録音)

 

74. マンハッタン・ジャズ・クィンテット(Manhattan Jazz Quintet)グループ

 

マンハッタン・ジャズ・クィンテット

 このクィンテットは、デビッド・マシューズ(ピアノ)を中心に、スタジオ・ワークの長い腕利
きをメンバーに揃えたレコーディング・グループである。50〜60年代ジャズの最も良い部分を映し
出すような曲を選び、熱気にあふれた収録が行なわれ、完成度の高いアルバムとなっている。(19
84年録音)

 

75. ミシェル・カミロ(Michel Camilo)ピアノ

 

ホワイ・ノット

 ラテン・フュージョンとでもいうべきスタイルを持つドミニカ共和国出身のピアニスト、カミロ
の初リーダー・アルバム。何といってもラテン系特有の親しみ易さがあり、カミロ自身のルーツを
自然こ反映した作品である。全曲オリジナルということからも意気込みが感じられる。(1985年録
音)

 

76. ウィントン・マルサリス (Wynton Marsalis)トランペット ※新伝承派ジャズ

 

J Mood

 このアルバムは伝統に立脚した80年代の感性を踏襲し、さらに前進させたウィントンの自信作で
ある。連続したテーマ、思い切ったハーモニー、自由奔放なプレイを聴くことができる。天才肌の
トランペッター、ウィントンの出現によって80年代の流れが決まったといっても過言ではない。
(1985年録音)

 

77. アウト・オプ・ザ・ブルー(Out of the Blue)グループ

 

インサイド・トラック

 全員がオーディションにより集められた、当時平均年令25歳の若手グループの第2作目。前作に
較べ、短期間のうちに個々の実力が極めて向上している。演奏レベルの高さからくる安定感があり、
パワー・アップされた演奏を聴かせてくれる。(1986年録音)

 

78. チャーネット・モフェット(Charnett Moffett)ベース ※新伝承派ジャズ

 

チャーネット・モフェット
 
 天才肌のアコースティック・ベーシストと言われるモフェットの初リーダーアルバム。強大で粒
の揃った音、輝くような音色等、過去のどんなタイプのベーシストとも比較できないスタイルとパ
ワーを備えている。若手ナンバーワンの評判が納得できるアルバムである。(1987年録音)

 

展示の部屋へ戻る