第37回 TABI 大名行列から大航海時代〜日本と世界・旅の姿

展示にあたって

  爽やかな陽気に誘われて旅に出かけてみませんか。
 国内だけでなく、海外旅行も今ではすっかり身近なものとなり、毎年たくさんの人がさまざまな所へ旅をしています。
しかし今ほど容易ではなく、むしろ命懸けだったかもしれない昔の人の旅とは一体どんなものだったのでしょう。今回は  
『旅』
をテーマに、近世や中世などの古地図や当時の旅の姿を知ることができる資料を展示しました。
 江戸時代行われた大名行列も、地方と中央を結ぶ旅であり、政治・経済・文化・流通等の点からも人々に大きな影響を
及ぼしたものと思われます。また、外国人が記した海外の紀行文も、旅の様子や文化の違いなどを知ることができ、興味深いのではないでしょうか。
 今と昔で変わらないもの、全く異なる事柄などを対比させてみると旅自体を違った側面から見ることができるかもしれません。
 このように『旅』は、私達の視野を広げさせ、生活にスパイスを与えてくれるものです。今回の展示をきっかけに、旅に出たり、その中で今まで気づかなかったような発見につながれば幸いです。 



 <展示目録>

    
    

1.

大日本輿地細図

 

 

149×309 cm

 

 

 

『日本路程全図』(長久保赤水原図)をもとに屏風にしたもの。
No.46と対をなす.

2.

大名行列図巻

 

江戸中期頃

3

 

 

仙台藩士山岸家旧蔵、江戸中期以降に書写されたもの。
本書は、前図書館長 速水侑氏が本学に寄贈された貴重な資料である。          

3.

寛永三年九月六日将軍様御参内御行列次第

 

江戸中期頃写

1

 

 

行列図の部分彩色。巻末に「藤原家蔵」とあり。
寛永三年九月六日二條城江御幸之時御楽御歌御会御解御進物之次第を含む。
江戸幕府三代将軍、徳川家光が寛永3年に後水尾天皇の二条城行幸を迎えるために、2度目の上洛をしたときの様子を記したもの。

4.

浅草詣 / 中原耕張著

 

江戸 : 花屋久次郎

 

享和2年(1802

14

 

 

浅草柳橋より浅草寺にいたる沿道の名所旧跡、神社仏閣ならびに浅草寺の風景、由来、縁起などについて記したもの。

5.

隅田川往来 / 松陰堂主人書

 

江戸 : 藤岡屋慶次郎

 

弘化(1844-48)頃

11

 

 

江戸両国橋より亀戸天満宮・永代島八幡宮にいたる隅田川沿岸の風景、名所旧跡、神社仏閣などについて記したもの。

6.

隅田川往来 / 近田中道

 

江戸 : 森屋治兵衛

 

文化8年(1811)

15

 

 

 

7.

東海道五十三次 /安藤広重画

 

日本橋

 

1925年(複製)

56枚

 

 

初代広重筆 保永堂版 東海道五十三次の複製。五十三次を描いた浮世絵・版画等は数々あるが、広重の保永堂版が特に有名である。

8.

東海道五十三次 /安藤広重画

 

品川

 

 

 

 

 

7.に同じ

9.

横濱繁昌記 /錦渓老人著;太平逸士校

 

 

 

明治初期

1冊

 

 

 

10.

東海道五十三次 /安藤広重画

 

神奈川

 

 

 

 

 

7.に同じ

11.

鎌倉詣

 

鶴屋喜右衛門

 

文政6年(1823)

20丁

 

 

鎌倉及び金沢の名所旧跡・神社仏閣を訪れたことを報告する形の文章で、それらの景趣・由来・縁起等について記したもの。

12.

江之島詣文章[江嶋詣] /滕耕徳筆

 

鶴屋喜右衛門

 

寛政(1789-1801)頃

13丁

 

 

江戸より江ノ島にいたるまでの、風景、名所旧跡、神社仏閣などについて記したもの。

13.

東海道五十三次 /安藤広重画

 

藤沢

 

   

 

 

7.に同じ

14.

五十三次名所圖會 /安藤広重画

 

 

 

安政2年(1855)頃

 

 

 

藤沢、平塚、大磯、小田原

15.

江戸道中記

 

京都 : 墨屋吉兵衛

 

寛政9年(1797)

5丁

 

 

作国津山城下(現在の岡山県)より、江戸津山藩屋敷にいたるまでの道中記。沿道の駅名、名所旧跡、名産名物について記されている。

16.

諸國道中袖鏡

 

江戸 : 岡田屋嘉七

 

天保寛政9年(1797)

5丁

 

 

作国津山城下(現在の岡山県)より、江戸津山藩屋敷にいたるまでの道中記。沿道の駅名、名所旧跡、名産名物について記されている。

17.

東海道五十三次/安藤広重画

 

箱根

 

 

 

 

 

7.に同じ

18.

西遊記譚,5巻/司馬江漢著画

 

江戸 : 鴨伊兵衛

 

享和3年(1803)

5冊

 

 

江戸から長崎にいたるまでの、名所旧跡、風俗、物産等を図説したもの。主な著作は「春波楼筆記」「興地略説」「地球全図略説」「和蘭天説」など。

19.

東海道五十三次/ 安藤広重画

 

由比

 

 

 

 

 

7.に同じ

20.

東海道五十三次/ 安藤広重画

 

大津

 

 

 

 

 

7.に同じ

21.

東海道五十三次/ 安藤広重画

 

京都

 

 

 

 

 

7.に同じ

22.

京雀跡追

 

[出版地不明] : 清水五郎左衛門

 

延宝5年(1677)

2冊

 

 

買物案内を主とした京都の案内で、社寺名所、町名の由来、著名商店の所在なとを記したもの。巻頭には諸職・諸商品を見るのに便利なように索引がある。また、各町の代表的商工の店頭の挿絵が多数ある。

23.

名所都鳥

 

京都 : 吉田四郎右衛門

 

元禄3年(1690)

8冊

 

 

山城国(現京都府南部)の名所70余ヶ所を記したもの。

24.

京都順覧記/池田東籬亭編;中村有楽画

 

京都 : 竹原好兵衛

 

天保2年(1831)

3巻1冊

 

 

巻1には花洛名所図、巻2には京都の神社仏閣、巻3には洛陽諸巡拝を記したもの。本書は巻1〜巻3まで合本されている。

25.

道中膝栗毛/十返舎一九作

 

江戸 : 椀屋喜兵衛

 

文化・文政(1804-1830)頃

10冊

 

 

 

26.

増補 江戸大絵図 絵入

 

江戸 : 表紙屋市良兵衛

 

延宝7年(1679)

地図1枚

 

 

 

27.

江戸切絵図 芝三田二本榎高輪邊繪圖/戸松昌訓[ほか]著

 

江戸 : 尾張屋清七

 

安政2年(1855)

28枚

 

 

おおむね今日の東京23区の外郭地域を除いた範囲を区分した、携帯の折り畳み分冊地図である。内容は詳細に記されており実用性を重んじてつくられているが、全体としてみると形状は不正確である。彩色が派手なために人目を引いた。

28.

関東路程便覧 関東十九州路程便覧

 

江戸 : 若林喜兵衛

 

嘉永1年(1848)

1枚

 

 

 

29.

Sketches of Japanese manners and customs/by J.M.W.Sliver

 

London : Day and Son

 

1867年

1冊

 

 

イギリス海兵隊の艦隊に随行して来日した著書シルバーが、1864年〜1865年にかけて収集した端午の節句、祭礼、冠婚葬祭、罪人の処刑、芝居見物、入浴などの珍しい日本の風俗・習慣を描いた美しい彩色図27枚を収録している。

30.

Le Japon,ou,M-urs,usages et costumes des habitans decet empire:d'apres les relations recentes de Krusenstern,Langsdorf,Titzing,etc.,et ce les voyageurs precedens offrent de plus avere,suivi de la relation du voyage et de la captivite du capitaine russe Golownin/par M. Breton

 

Paris : A.Nepveu

 

1818年

4冊

 

 

ブルトンが、No.36のクルウゼンシュテルン、ラングスドルフ、ティチング、ゴロウニンの記述をまとめたもの。ゴロウニンはロシアの海軍将官。ディアナ号艦長となり、1811年南千島列島測量中に、日本の捕虜となり、約2年幽閉された。その後ロシア軍の捕虜となっていた高田屋喜兵衛と交換に釈放され、帰国した。

  *関連翻訳書 ゴロウニン著「日本俘虜実記」講談社、 「太平洋周航記」 

31.

Le Japon illustre:Ouvrage contenant vues,scenes,types,monuments et paysages drssinees/par E.Bayard[et al.] ; [Aime Humbert]

 

Paris : L.Hachette

 

1870年

2冊

 

 

日本、スイス修好通商条約が1864年2月に締結されるまでの10ヶ月間、スイス遣日使節団長エーメ・アンベールは、当時の日本の風俗や習慣、歴史、地理、宗教などをつぶさに観察、記録した。

  *翻訳書 「幕末日本図会」 雄松堂書店

32.

Account of a voyage of discovery to the west of Corea, and the Great Loo-Choo Island: with an appendix, containing charts, and various hydrographical and scientific notices/ by Basil Hall ; and a vocabulary of the Loo-Choo language[compiled]by H.J.Clifford

 

London : John Murray

 

1818年

1冊

 

 

著者バジル・ホールは、イギリス人の海軍軍人。1816年ライラ号の艦長として中国・朝鮮・沖縄を巡航し、この時の見聞をまとめたもの。琉球の地理・風俗・政治・経済の実態をヨーロッパに紹介した最初の書物。

  *翻訳書「朝鮮・琉球航海記:1816年アマースト使節団とともに」 岩波書店など

33.

Travels in Kamtschatka, during the years 1787 and 1788/translated from the French of M. de Lesseps

 

London : Printed for J.Johnson, St Paul's Church-Yard

 

1790年

2冊

 

 

著者レセップスはフランス海軍士官。1785年No.38のラ・ペルーズが率いる探検隊に同行し、カムチャッカ紀行を中心に記述した。本書はその英訳版。

34.

Wunderliche und merkwurdige Reisen Ferdianandi Mendez Pinto, welche er inerhalb ein und zwantzig Jahren: durch Europa, Asia, und Africa, und deren Konigreiche und Lander, als Abyssina, China, Japon, Tartarey, Siam, Calaminham, Pegu, Martabane, Bengale, Brama, Ormus, Batas, Queda, Aru, Pan, Ainan, Calempluy, Cauchenchina, und andere Oerter verrichtet

 

Amsterdam : Bey Henrich und Dietrich Boom

 

1671年

1冊

 

 

著者ピントは、ポルトガルの商人。マラッカを本拠として、タイ、中国、日本等で貿易をおこなった。フランシスコ・ザビエルとの親交をきっかけにイエズス会に入会した。4度目の日本訪問後、イエズス会を脱会し帰国した。その後、それまでの経験をもとに冒険譚を著した。極東諸国の情報を扱った総合的著作として当時のベストセラーとして長く愛読された。本書はその独語版。

  *翻訳書「東洋遍歴記」 平凡社など

35.

Rihlat Ibn Battuta = Tuhfat al-Nuzzarfi Ghara al-Amsar wa Aja'ib al-Asfar/Ibn Battuta

 

Cairo : Matba'at Wadi al-Nil

 

1870年または1871年

 

(ヒジュラ暦[A.H.]1287) 

 

イブン・バットゥータは、中世のアラブ人旅行家。モロッコに生まれ、1325年エジプトを経てシリアからメッカに巡礼した後、イラク、アラビア半島、小アジアを旅してデリーに滞在した。次いでスマトラを経て北京に至り、再びインド、シリア、エジプトを経由して1349年モロッコに帰還した。その後スペイン南部を訪問し、サハラ砂漠を横断してニジェールに行き、南アルジェリアにでた。1354年モロッコに帰ると、マリーン朝君主は彼に秘書を与え、口述筆記が行われ、約30年間の旅行記「リーラ」が完成した。14世紀前半のイスラム世界についておおむね正確で、しかも具体的な情報を伝えている。

  *翻訳書「三大陸周遊記」河出書房新社・筑摩書房、 「大旅行記」平凡社など

36.

Voyage autour du monde, fait dans les annees 1803,1804,1805, et 1806, par les ordres de Sa Majeste Imperiale Alexandre Ier sur les vaisseaux la Nadiejeda et la Neva, commandes par M. de Krusenaterm/traduit de l'aveu et avec des additions de l'auteur, la traduction revue par M.J.-B.-B. Eyries

 

Paris  : Librairie de Gide Fils

 

1821年

2冊

 

 

「ナジェジダ号とネバ号による世界周航の旅」                      著者クルウゼンジュテルンは、旧ロシアの海軍大将。ロシアの第1回世界周航調査隊長として、ナジェシダ号とネバ号を指揮した。この間、北海道、カムチャッカ、千島、樺太等の日本近海も調査した。

  *翻訳書 「クルウゼンシュテルン日本紀行」 雄松堂書店

37.

A bibliographical antiquarian and picturesque tour in France and Germany/by Frognall Dibdin

 

London : Printed for the authors, by W. Bulmer [etc.]

 

1821年

2冊

 

 

フランスとドイツの紀行

38.

Voyage de la Perouse author du Monde/publie conformement au decret du 22 avril 1791, et redige par M.L.A.Milet-Mureau...

 

Paris : Imprimerie de la Republique

 

1797年

5冊

 

 

著者ラ・ペルーズはフランスの太平洋探検家。クック船長の仕事を引き継ぎ、1785年探検隊を率いて太平洋航海に赴くが、1788年南太平洋沖で消息を絶った。幸いにも、発見のほとんどの記録は本国パリに送っていたため、航海日誌を編集した周航記が1797年に出版された。稚内付近の宗谷海峡は、外国の地図には”La Perouse Strait”(ラペルーズ海峡)と記されているが、西欧人として初めて宗谷海峡を通過した彼の名に因む。

  *翻訳書 「ラペルーズ世界周航記」 白水社

39.

Letters persanes

 

Paris  : Garnier freres

 

1875-1879年

 

 

 

ユスベクとリカという2人の主人公をはじめとして、その他多くのペルシア人たちが取り交わした手紙によって構成されている。そこにはモンテスキューの軽妙は風刺と明快な文章をもって、架空の人物の旅行記の形を利用し、現実社会への批判・風刺を行ったとされている。

  *翻訳書 「ペルシア人の手紙」 岩波書店

40.

Travels into several remote nations of the world : in four parts/by Lemuel Gulliver

 

London  : B. Motte

 

1727年

 

 

 

イギリスの作家スウィフトの代表的風刺物語。1726年刊。ガリバーという男が船医となって海へ出るが、いつもきまって難破し奇妙な国に漂流する。当時流行の旅行文学の形式をとっているが、鋭い人間観察を盛りこみながら、おとなにも子どもにも愛読者をもつ風刺文学の傑作である。

  *翻訳書 「ガリヴァ旅行記」 岩波書店

41.

Notitia orbis antiqvi : siva, Geographia plenior, ab ortu rerumpublicarum ad Constantinorum tempora orbis terrarum faciem declarans./Christophorvs Cellarivis ex vetustis probatisque illustrauit. Alteram hanc editionem annotationibus varii generis partim e scriptis veterum, partim e recentiorum obseruationibus illustrauit & auxit L. Io. Conradvs Schwartz... Adiectus est index copiossissimus locorum & aliarum rerum geographicarum:[Cellarius, Cheistoph]

 

Lipsiae : ex officina libraria Gleditschiana

 

1773年

3冊

 

 

18世紀初頭のドイツの言語学者で歴史家、地理学者でもあったケラリウスによる古地図。本書には各国多数の地図が描かれている。彼は、著書「Historia medii aevi(中世史)」で「中世」という言葉を初めて用いたことでも知られる。

42.

Orbis terrarvm vetiribus cogniti typvs geographicvs/[Johan Janssen]

 

 

 

1640年

41×51cm

 

 

 

43.

Iaponiae nova descriptice/[Gerhard Mercator]

 

 

 

1706年

34×44cm

 

 

メルカトル「日本地図」
目的地への航路の角度が読みやすいという、船の時代が生んだ地図である。彼の名を冠した投影図法(メルカトル図法)による。

44.

天下地図

 

 

 

17世紀頃

112×87cm

 

 

厚手朝鮮紙に石版による朝鮮版世界図。地図中ヨーロッパの位置に、「利瑪竇」(=マテオ・リッチ)の名を記している。

45.

地球万国山海興地全図説/長久保赤水著

 

 

 

天明中刊(18世紀頃)

102×155cm

世界地図 

 

中国で活躍したイエズス会宣教師マテオ・リッチの「坤輿万国総図」を基にして、水戸藩の儒学者で地理学者でもある長久保赤水が刊行した。

46.

山海輿地全図説

 

 

 

 

149×309cm

 

 

「坤輿万国総図」をもとに屏風にしたもの。No.1と対をなす。



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