第五回 1983年4月 東海大学所蔵 日本の古典文学と王子台遺跡遺物

 

王子台遺跡と今回の展示について


  王子台遺跡は、本学キャンパス東半部に所在する遺跡である。本学では、11号館建設にさきだち、建設予定地約12,000平米を、1977〜80年の三年間にわたり発掘調査を行った。調査では、繩文時代から平安時代にまで及ぶ膨大な量の遺構、遺物 が発見されている。今回の展示遺物は、その成果の一部である。(以下省略※)


東海大学所蔵 「日本の古典文学」 展示について

昭和五十六年四月、附属図書館十一号館分館が開館して以来、毎年春秋二回行っている本学所蔵の古典籍の展示も五回を数えるに至った。
 今回は特に新入生を対象に、これまで高等学校の教科書や受験勉強中心に親しんできた日本の古典文学の原典から二十一編を選び、物語、歴史物語、詩歌、随筆・日記のジャンルに分けて展示した。
 今日、一般に私達の目に触れる古典文学は活字印刷による、頭注、解説つきの場合がほとんどである。しかし、少くとも近世以前にあっては原典から直接写しとった写本や、その転写によって読み継がれたし、かなり印刷術が進んできた近世以後においても、木版印刷による限られた部数が出版されたにすぎなかった。
 この展示では、本学が所蔵する写本と現在の出版物とを比較したが、これによって時代の推移にともなう古典享受・過程の一端が辿り得るであろう。また、この原典に接した機会に、日本の古典籍への新たな関心が喚起されれば幸いである。


昭和五十八年四月

 

物 語
 

一 竹取物語 

 

写本 一冊

袋綴 紙表紙 (はなだ色) 雁皮紙 (色変り料紙) 二三・一×一七・三糎 九行
六十二丁 外題中央

 

二 伊勢物語

 

写本 一冊

胡蝶装 紙表紙 (こん色) 鳥の子紙 二五×一七糎 九行 八十八丁 題簽左肩
巻末に業平以下の略歴、なぞへなく、みやびなどの釈義の後に天福本の奥書あり

 

三 大和物語

 

写本 二巻二冊

袋綴 紙表紙 (こん色) 雁皮紙 二五・四×一七・七糎 十三行 八十六丁 題簽
中央
題簽に「大和物語和歌」とあり

 

四 字津保物語

 

写本 一六巻二十冊

袋綴 紙表紙 (こん色地に金泥絵) 楮紙 一七・五×一二・四糎 十行 題簽中央
「青谿書屋」印

 

五 落窪物語

 

写本 二巻二冊

袋綴 紙表紙 楮紙 二三・七×一六・四糎 十行 題簽左肩 「黒川真頼蔵書」
「黒川真道蔵書」印
 外題に「於ちくほ物語」とあり

 

六 源氏物語

 

写本 五十四冊

冷泉為清写 袋綴 紙表紙 (こん色) 楮紙 二三・一×一七・六糎 八行 題簽左肩
耕雲本系統

 

七 堤中納言物語

 

写本 一冊

伴直方写 袋綴 紙表紙 (こん色) 楮紙 二三×一六・七糎 十行 七十一丁 外題
左肩 「黒川真頼蔵書」「黒川真道蔵書」「黒川真前蔵書」「伴氏家印」印

 

八 文正草子

 

写本 三軸

巻子本 布表紙 (うぐいす色地に金糸文様) 見返金箔 雁皮紙 (松、竹、草文様)
 奈良絵本

 

歴史物語
 

九 栄華物語

 

写本 四十一冊

胡蝶装 布表紙 (紺地に金糸文様) 見返金箔 雁皮紙 二四×一七・四糎 十行
題簽左肩
奈良絵本

 

一〇 大鏡

写本 六巻六冊

胡蝶装 紙表紙 (紺地に金泥絵) 見返金泥下地に鳳凰唐文様 雁皮紙 二四×十八・
二糎 十行 題簽左肩 「青谿事屋」印

 

一一 今鏡

 

写本 十巻十冊

袋綴 紙表紙 (こん色) 楮紙 二七・三×一九・二糎 十一行 題簽中央 「平田
氏記」 印
慶安三年の刊本を文化五年に写す

 

詩 歌
 

一二 古今和歌集

 

写本 二冊

袋綴 紙表紙 (万字つなぎ文に唐草文様) 雁皮紙 三〇・八×二三・四糎 十一行

 

一三 和漢朗詠集

 

写本 二巻二冊

藤原公任著 袋綴 紙表紙 雁皮紙 二二・六×一六・七糎 五行 外題左肩 「弘
前医官渋江氏蔵書記」 「根津文庫」 「森氏」印

 

一四 三十六人集

 

写本 三十七冊

胡蝶装 紙表紙 (飛雲紙) 雁皮紙 二四・六×一六・四糎 八行 題簽左肩 「紅
梅文庫」印

 

一五 新撰菟玖波集

 

写本 五冊

伝烏丸光広写 袋綴 紙表紙 (梅松色地に金箔草花文様) 見返金切箔散らし 楮紙
(色変り料紙) 二六・五×二〇・五糎 十一行 題簽中央 「アカキ」 「横山家蔵」


 

随筆・日記
 

一六 土佐日記

 

写本 一冊

紀貫之著 胡蝶装 紙表紙 (金銀泥による霞・野毛文様に金銀切箔散らし) 雁皮紙
一七・三×一五・九糎 九行 五十一枚 外題中央 棘舎文庫旧蔵 「青谿書屋」印
奥書「嘉禎二年八月廿九日以紀氏正本 (蓮華王院本云々) 書写之一字不違 不読
解事少々在之 権中納言 (花押) 」
外題に「土左日記」とあり

 

一七 枕草子

 

写本 四巻四冊

清少納言著 袋綴 (はなだ色) 楮紙 二三・八×一九・二糎・十一行 題簽中央
「尾花菴可f」「高橋蔵書」印
能因系 題簽に「まくら雙紙」とあり

 

一八 更級日記

 

写本 一冊

戸沢正令註記 袋綴 紙表紙 (渋染) 楮紙 二四・四×一七・二糎 八行 九十一
丁 題簽・外題共になし 「矢堅蔵書」印
中島友交自筆草稿

 

一九 方丈記

 

写本 一冊

鴨長明著 胡蝶装 紙表紙 (紺紙金泥に秋草文様) 見返金切箔散らし 雁皮紙 二
五×一八・三糎 十一行 二十四丁 題簽中央

 

二〇 十六夜日記

 

写本 一冊

阿仏尼著 袋綴 紙表紙 (渋染) 楮紙 二九・一×二〇・四糎 十行 二十六丁
題簽・外題共になし
亀鑑云「十六夜日記には慶長以前の古抄本稀なり。幽斉が兼如法師自筆本を書写し
他本と重而読合せたるもの、十六夜日記伝本中最も重要なるものの一といふべし
昭和二十四年五月五日 林園文庫」

 

二一 徒然革

 

写本 二巻二冊

兼好法師著 袋綴 布表紙 (宝尽し文入り段替り文様) 見返金銀切箔散らし  楮紙
二五・八×二一・七糎 九行 題簽中央 「青谿書屋」印

 

※「王子台遺跡遺物」の部分は省略し、展示開催時に配布した冊子体とは一部変更しています。
ご了承ください。
 

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