かつてニューコメンの蒸気機関の蒸気圧を調節する弁の開閉は人間の手でおこなわれていました。これを自動調速機(ガバナー)に置き換えたのが制御工学の始まりです。したがって機械と制御装置とはかつては一体のものでした。現代では制御装置は機械と分離され電気信号により情報伝達がおこなわれています。さらに、コンピュータの出現で複雑できめ細かな制御がおこなえるようになっています。
本講義では、まず機械の動きや化学プロセスの反応を微分方程式で記述できる”システム”としてとらえます。これを、ラプラス変換を用いて伝達関数に置き換えると、システムの特徴を非常に簡便に表現できることを示します。各種のシステムの伝達関数にし、その時間応答の計算方法を習得し、実際に計算しグラフ化することにより、伝達関数の構造とその応答の関係を体得します。続いてフィードバック制御とは何かについて学びます。DCモータを制御対象として特にとりあげ、その一般的な制御方法であるPID制御について学びます。
本授業により育成する力・スキルは、「自ら考える力」、「時代の変化に対応する専門力」、「ものづくりに必要な基礎的能力」です。
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