縄文文化は、氷期の終わりを経て地理的区分としての日本列島が確立するとともに展開する文化である。しかし、その時間幅は約1万数千年におよぶものとされ、かつ地域的な差異も大きい。今日、時間的にも、地域的にも差異と変化に富むこの文化を、すべて同一のあるいは一体の文化と捉えることに対する疑義も生じている。では、縄文文化という括りは意味をなさないのであろうか。
本授業では、縄文時代ないし同文化をめぐる上記の疑問を主軸に、主に遺跡・遺構に主眼を置いた文化内容とその変化を見渡し、今後どのような切り口が求められるのかを考え、受講者各人に一定の見通しを得てもらうことを目標とする。
また授業では、自己学修を前提とする課題とその成果発表の機会を設ける。それらを通じて考古学的な観察・分析法および、情報発信力を培うことができる。
授業で育成する力・スキルは、自ら考える力<全学共通>、文章・情報を読み解く力、適確な文章を書く力、意見や情報を伝える力<文学部>、歴史意識・人間・自己の発見、分析力・論理的思考力<本専攻>である。
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